昔は普通だと思っていた難易度が、今では難しい世界(KOF14プレイ所感)
先日、「THE KING OF FIGHTERS(以下KOF)14」が発売され、早速購入した。
前作から約6年ぶりの新作、正式なナンバリングタイトルである。
1990年代の格闘ゲームブームを牽引していたSNK(のちにSNKプレイモア)。同社のタイトル「餓狼伝説シリーズ」や「龍虎の拳シリーズ」などの人気キャラクターを一同に会したお祭り的な作品であった。シリーズを重ねる毎に様々な裏設定が加えられ、多彩なキャラクターとともにそのストーリーにもワクワクさせてくれた。
そもそも最初のKOF、「THE KING OF FIGHTERS 94」が発売されたのは1994年。自分が中高生の頃の話である。以降、毎年、西暦下二ケタのナンバリングタイトルがゲームセンターで稼働するが、次第に開発スピードは失速、西暦表記から発売順のナンバリングに変更され、詳しくは割愛するが諸々の理由でKOFは徐々に衰退し始める。
意外なことに、日本では衰退気味だったKOFだが、海外、特に中国市場では人気が高いらしい。
SNKの初期の格闘ゲーム基板の海賊版が大量に流通していた中国では知名度が高いことと、安くなった基盤が街のゲームセンターなどでは重宝され、長年稼働されていたことなどで、人気を保持し続けたのだとか。
2015年に、パチスロ業を展開していたSNKプレイモアが、同事業から撤退。満を持してゲーム開発一本に事業を据えることを発表したのは、往年の格ゲーファンにはうれしいニュースだった。
閑話休題。
兎にも角にも、なんだかんだでKOFシリーズについては、PS2時代に発売された外伝シリーズ「KOF MAXIMUM IMPACT」シリーズも買っていた自分は、義務のように最新作も買っている。
やってみた感想としては、「あれ、KOFってこんなにぬるかったっけ?」ということ。
いや、今でも対戦に関していえば相変わらず初心者お断りなのだが、かつてのKOFを知っている自分ではちょっと拍子抜けするくらいCPU戦がぬるい。
自分はぶっちゃけ格闘ゲーム歴は長い方だが、基本、初心者に毛が生えた程度のライトユーザーである。
大まかなシステムは理解しているものの、とりあえず基本操作ができて、なんとなくコンボが出せて難易度が普通のCPU戦でストーリーを楽しめればいいという程度なので、対戦に行くと、それはもうボコボコである。
しかし、かつてのKOF、特に2000年前後に発売されていたものでは、ノーマル難度でもストーリーのラスボスがベラボーに強くて、特定のキャラでのハメなどを使わないと初心者では全く勝てない設定だったと記憶している。
ストーリーを最後まで楽しめなくて、ゲーセンでのクリアを諦め、結果的に自分はゲームセンターに足が向かなくなっていったのではと思ったりもするぐらい。
前作の13も難易度は下がったなというイメージはあったけど、今回は特にぬるくて、初心者でもちょっと頑張れば勝てる難易度なんじゃないだろうか。
最近の時流なのか、格闘ゲームがハードルが高いと言われ続けてきた各メーカーが、新規層の取り組みに試行錯誤している中で、入門編であるストーリーは簡単にクリアできるようにしたという想像ができなくもないけど。
しかし、KOFのウリの一つである、これでもかというほど大人数のキャラクターが、どれを使おうか目移りさせてくれるところはうれしい。操作を覚えるのは大変なんだけど、色々試して、自分に合ったキャラを探す作業は、結構時間泥棒されるぐらい楽しませてくれる。
3Dモデルには若干の違和感がありつつも、エンディングでの2Dモデルはよくできている。女子キャラは可愛いし。
ネタバレになるかもしれないけど、特殊な組み合わせでの対戦時は掛け合いが挿入され、かつてのSNK作品を知っている人なら、ニヤリとする名前が出てきたり、エンディングでは、今回のKOFではプレイアブルになっていなキャラクターも登場するファンサービスもあったり。
ただ、声優さんが大量に交代になってしまい、その違和感だけはなんとも言えない。
旧声優の声質に近い人を選んでいるということで、頑張っている感はあるんだけど、やっぱりオリジナルの方がと思わなくもない。
まぁ、理由は色々あるけど、新生KOFはやっぱり格ゲーファンとしては嬉しい限りで、ここをスタートとして次に繋がって欲しいと思っている次第。