一か八か、審判が下るまであとわずか(FF15体験版プレイ所感)
遅ればせながら、ファイナルファンタジー15(以下FF15)の体験版をプレイしてみた。
配信直後から、ネット上ではネタ満載のグラフィックバグから、進行不能になるやばいバグまで、色々な話題が飛び交っており、体験版の出来は逆に売り上げにマイナスなのではという意見まで囁かれており、一体どんな事になっているのやらとゲームを起動した。
ゲームの冒頭。先日観に行った本作の前日譚を描いた「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」のラストシーンと繋がっており、観た人はニヤリとできる演出である。
今回、個人的に期待していたのは、シリーズ初のオープンワールドである。
近年のFFは、ストーリーや物語性を重視するあまり、プレイヤーがあまり考えず、ある程度のボタン操作だけで物語が展開する一本道ゲームという印象だった。オープンワールドならば、否が応でもプレイヤーは自分なりの考えでキャラクターを動かす必要があるので、自由度の高いゲーム体験となるのは間違いない。
また、FFのもう一つの代名詞となったハイクオリティなグラフィック。この点に関してだが、前作までのFFでも十分なレベルのグラフィックとなっていて、既にそのレベルは頭打ちではないかと、さほど目新しさを感じるものではなかった。
操作系はどうにもうまく行かない感じ。通常のフィールド移動の際は特に問題ないが、戦闘中の操作が思い通りに行かない。今回は、完全にアクションRPGとなっていて、フィールドの移動から戦闘までがシームレスに展開する。戦闘時、自分の動きはもちろん、仲間への支持など、意外とやる事が多い。基本はオートで動いてくれるので、そこまで気にする必要もないが、自分の戦闘の補助をやってもらおうとすると、途端に操作が多くなる。リアルタイムバトルなので敵も待ってはくれず、どんどん反撃を食らってしまう。まぁ、慣れる時間が足りないだけで、繰り返せばうまく行くようになるのかも。
しかし、昔と比べるとファンタジーというより、完全にサイバーパンクの様相だ。ゲーム自体は面白さ、可能性を秘めていそうな気はするが、もはやファイナルファンタジーという冠がいるのか、というほど別のゲームになっている。
演出は全体的に非常によくできている。ショップでの買い物の際、食事中のポーズを始め、キャンプスペースの設営から料理の準備など、キャラクターごとに様々なアクションが非常に細かく、料理のCGなど美味しそう。この辺はビジュアルとグラフィックスを売りにしているFFの面目躍如といった仕上がりだ。
特に面白いと思った演出は、キャンプや宿泊施設に泊まると仲間の一人が勝手に撮っているという設定で、その日のうちのハイライトシーンを写真で観ることができる。お気に入りの写真は、PS4本体に登録して後で閲覧できるようになるので、フィールドのちょっとした仕草や、戦闘中のかっこいいシーンがシェアできるのも良い。
体験版なので、今後、もうちょっと増えていくのかもしれないが、サブミッションや、サブストーリーのボリュームが少ないように感じる。
他のオープンワールドをやっていると、本筋には関係ないストーリーがとても多い。せっかく一本道から脱却しかけているので、もっと脇道にそれて遊べる要素があればと思う。
冒頭のバグの話題だが、確かにプレイ中にちょくちょくグラフィック系のバグに遭遇した。個人的にはそこまで気にならない、というか気にしてない感じ。オープンワールド系のゲームはこの手のグラフィックバグは普通にあるので、気にならなくなってしまったのである。まぁ、グラフィックバグは半分近くは面白画像という扱いだったので、決して悪いことだけではない、というところだろうか。
ただ、進行不能系のバグはやはり放置できないだろう。限定条件下で起きるならまだしも、簡単に出せるような進行不能は確実にユーザーの評価を落とす。この段階はおそらくマスターアップしているので、パッチ対応になると思われるが、初日から重量級のパッチにならないか、非常に不安である。
肝心の購入するかどうか、であるが正直、保留になりそうだ。ゲーム自体はとりあえずやってみようというところではあるので、購入はするだろう。ただ、自分がゲームを積んでいるという超個人的な理由と、12月にもっと欲しいゲームの発売も控えているというところで、年内の購入はないかもしれない。
2次元と3次元の境へ(沼倉愛美氏のミニライブ&握手会に参加してみる)
ここ最近、というか結構前から注目している女性声優、沼倉愛美氏のファーストシングル発売記念ミニライブ&握手会が、東京ドームシティのラクーアガーデンステージで行われた。
開始時間の20分前に到着したが、既にステージが見えなくなる混雑具合。ステージ外周の階段の上のテラス部分も人で埋まり、人気の高さは予想通りといったところだ。
沼倉氏は、アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」の「我那覇響」役でデビュー。同コンテンツで高い歌唱力とダンスパフォーマンスが評価されている。7年間、「我那覇響」というキャラクターを背負ってステージに立ち続け、声優、歌手として着実に経験を積んできた。
また、海洋戦艦SF「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」で主題歌を歌う声優ユニット「Trident」の活動も多くのファンを魅了した。
キャラクターやユニット活動など、様々な曲を歌っているが、いよいよ個人名義のソロデビューとなった。
歌唱力はもちろんだが、ラジオで見せるトーク力や、インタビューに見られる努力家で真面目な姿勢。一緒に仕事をしたという業界人からも、素直な人柄で評価が高い。
タレントとしてのポテンシャルは高く、むしろ遅いと思うくらい、自分としても待望のソロデビューである。
デビューシングル「叫べ」は、それぞれかなりカラーが違うバラエティに富んだCDになっている。
表題曲の「叫べ」は歌い出しからタイトル通りのシャウトで始まるハードなロックナンバー。心の内に溜まったモヤモヤを吹き飛ばすような、熱い一曲だ。
2曲目の「言の葉」は打って変わって、バラードナンバー。出会いと別れを経験しながらも、それでも生きていく、儚げで優しいながらも力強い気持ちが籠った一曲。
3曲目の「HEY」は、繰り返される中毒性の高いフレーズと、ガンガン観客がコールを入れるテンション上げ上げの一曲。
野外のステージだったため、ファンではない人も足を止めていたが、「誰?でも、なんか歌上手いね」という声が聞こえたり、子ども一緒に手拍子している親子連れもいたりと、改めて万人受けするパフォーマンスなんだと感心する。
さて、ライブ後の握手会である。
自分はタレントの握手会というのは参加した事がなく、勝手がわからなかったのだが、すごい人数が並んでいる。自分は真ん中辺りだったはずだが、それでも待ちに待って、1時間30分。ディズニーランドの人気アトラクションもビックリである。後で聞いたところによると、1500人以上の人が並んでいたらしく、握手会だけで2時間半近くかかったようだ。
そして、時間にしてわずか5〜6秒。それ以上話そうとすると、いわゆる「剥がし」と言われるスタッフから、さっと遮られるという状態。数年前から待望していたデビューを祝福するとともに、次のCDも期待している事を伝えたが、まるで狐に包まれたような、本当に一瞬の出来事だった。一言でも話はできて嬉しかったが、あれで良かったのか、今も首を捻っている状態である。
娯楽メディアの波に翻弄される(HDレコーダーを圧迫する日常)
10月も終わりに近づき、アニメ業界における9月の改変期からもう2ヶ月が経った。
既に1月からの新番組情報も続々と流れてきており、次はどれを観ようかなどと、チェックをしているのだが、10月現在の自分は観ようと思ってチェックしていたアニメの半分も観れていない。HDレコーダーには未消化のまま、延々と残っている作品がわんさか眠っている。
最近は、有料配信サイトに登録しているとそのうち全話視聴が可能になるものもあったりして、なんとかHDの空きスペースをやりくりしている現状である。
思えば、高校時代のこと。今なお根強い人気のある「新世紀エヴァンゲリオン」をはじめ、テレビ東京の夕方6時台には名作が揃い、今ではむしろ主戦場となっている深夜帯のアニメも台頭し始めた時代だった。当時VHSで、3倍録画で何本もアニメを録画して観ていたのが懐かしい。
ところで、当時、かなりの本数を観ていたはずなのに、時間的には全然余裕があった。
調べてみると、高校当時の1990年代、テレビ放映されていたアニメは大体年間で80~100本ほど。単純計算、1シーズンだと20~25本。1日に1本から2本で十分足りるところだ。
高校生だったので、6時台のアニメは帰宅すればそのまま視聴、主に録画していたのは深夜アニメ。それでも、日に1~2本観れば問題なくこなせていた。
ここ最近はというと、年間170~200本。つまり1シーズンで多い時には50本のアニメが放映されている。ちなみに、わざわざ言う必要もないが、「アンパンマン」や「ちびまる子ちゃん」、「サザエさん」といった家族向けアニメを除外した上での本数である。
5分アニメなどのショートアニメもあったりするので、ボリュームはさまざまだが、それでも1日7作品を観ないと網羅できない計算だ。
話が若干逸れるが、アニメ供給過多気味の昨今では、業界的にも様々な問題起こっているようだ。一部の作品ではスケジュールが間に合わず、1週休んだり、クオリティが低いままのものが放映され、視聴者から叩かれるアニメがあったりと、苦労が絶えない状況のようだ。
閑話休題。
また、自分自身、当時はゲームとアニメぐらいしか娯楽がなかったので、時間のゆとり+娯楽メディアの少なさがあったのは間違いない。
今の自分は、youtubeだったり、ニコニコ動画といったインターネットコンテンツを観る時間や、Huluやアマゾンビデオといった有料配信サイトの映画などの映像コンテンツを利用することもある。
また、高校生の頃は、年に2~3本、吟味に吟味を重ねたゲームソフトを、長く遊ぶことでゲーム自体の時間は多めに使っていても、トータル時間はアニメを見る時間とバランスが取れていた。
ところが、今はちょっと気になるゲームがあればホイホイと買ってしまう。
同年代と比べると、圧倒的に貧乏で底辺の経済環境にいる時分だが、独り身なので、生活費以外の金銭は趣味に回せるために、この辺のブレーキは若干緩いのである。
別の記事でも触れたが、おかげで手を付けたものの、ほとんど遊んでいないゲームがどんどん積みあがってしまい、崩すのに時間がかかって、アニメを観る時間を割けないでいるのだ。
結果として、アニメに割く時間が減ってきて、気付けば本当に観たいと思っていたもの以外はあまり観ないままHDの肥やしとなって行くのである。
とはいえ、やっぱり本数が多くて追いきれないというのは言い訳だろうか。
本数を消化することに比重が置かれているようで、純粋にアニメを楽しんでいた高校生のころと比べると、コミュニケーションの手段だったり、流行のチェックという側面だったりと、娯楽メディアとして自分が向き合っているかどうかちょっと怪しくなってくる。
そんな感じなので、観るアニメもかなり数を絞ってしまい、ちょっとでも自分の嗜好に合わなそうだとパスしてしまう作品が増えてきた。
後々になって、周りから面白いからと薦められても、まとまった時間が取れないために観ることができず、せっかくの良作を知らないまま機会を失っていている。
ただ、本数を消化することに注力していると、それはそれで一つの作品をちゃんと楽しめていない気がして、なんだか中途半端に感じてしまう自分もいて、モヤモヤするのである。
ブログやフェイスブックなどで、しっかりアニメの話題をしている人たちは、明らかに自分より忙しそうなのに、どうやって時間を作っているのだろうか。
自分が二人いたらなぁ、と思ったけど、それはそれで時間の使い方が下手な人間が二人になるだけで、状況は改善しないだろうと思う今日この頃である。
遅れてきた新参者(ニンテンドースイッチ初報によせて)
「NX」のコードネームで製作されていた任天堂の次世代ハード「ニンテンドースイッチ」の発売日が発表された。
公開されたPVは非常に興味をそそられるものだった。
リビングルームのようなところでゲームプレイする青年。飼っている犬が近寄ってきて、散歩をして欲しそうに主人を見つめる。仕方ないと言った素ぶりで立ち上がり、持っていたコントローラが分離、ニンテンドースイッチの本体に収納されているタブレットの左右にコントローラが装着される。本体からタブレットを引き抜くと同時にテレビからタブレットにゲーム画面が切り替わる。そのまま携帯機のように外へ持ち出し、犬と散歩を始める....。
中々に興味が惹かれるファーストインプレッションだ。WiiUゲームパッドでも、テレビからゲームパッド画面に切り替えるという仕様があったが、新ハードの切り替えスピードは一瞬で、妙な表現だが、まさにカチッとスイッチが切り替わるような気持ち良さを感じる。
またもう一つ興味を惹かれたのはコントローラだ。左右が独立して操作できるようで、タブレット部分をテーブルに置いて、2人がそれぞれコントローラの右部分と左部分を操作して対戦プレイをしているような映像も観られた。
何人かでワイワイやるという映像が多かった印象で、この辺りの友達同士でカジュアルに遊ぶというイメージはWiiUから引き継がれている気がする。
ただ、PVの中で一部嵌め込み映像を使っているなど、本来のスペックがわからないので、ゲーム機としてのパフォーマンスがどこまでのものなのか、続報が気になるところだ。
個人的に自分が求める仕様を挙げておきたい。
1.Wii関連の周辺機器対応
ソフトの互換に関しては対応予定がない旨、既に発表があったが、周辺機器に関してはどうだろうか。Wiiシリーズの牽引に一役買ったWiiFitなど、おそらくまた発売される気がしていて、その場合は従来のWiiFitボードを使える方がユーザーフレンドリーと言える。
個人的に、WiiUゲームパッドをセカンドモニターとして使うユーザーインターフェースは切り捨てるにはもったいない気がしている。
2.スマートフォンとの連動
iPhoneへの本格的参入により、スマホ業界との協力体制をアピールしている任天堂。スイッチとの連動はかなり濃厚な気がしている。
例えば、スマートフォンをゲームパッドとして使うというのはありそうな気がする。
コントローラ部分が分かれて2人でゲームはできる仕様だが、例えばパーティーゲームなど、もう少し人数が増えた時など、スマホをコントローラにすれば対応できる。
もう一つ、ニンテンドースイッチでニコニコ動画やyoutubeが出力できたり、ニンテンドーダイレクトで映画配信をして、スマホをリモコンのように使うなどはどうだろうか。
ところで、 新しいゲームハードの発表があったにも関わらず、任天堂の株価は下落。どうもユーザーにインパクトを与えるほどの画期的な変化がなく、想定内の作りへの失望感が優ってしまったというコメントが散見された。
現段階ではどんな滑り出しになるか、予測がつかないが、まだ発表していない画期的な機能や、価格によっても、また評価は変わってくるかもしれない。
とはいえ、自分も今の段階では発売日に買うかどうかというと、五分五分といったところである。
まぁ、スプラトゥーンの続編が発表されているし、例えばモンスターハンターのような、ハードを牽引する鉄板タイトルが発売されるような話になれば、化ける可能性は十分にある。
4つのお城の物語を読みつくす(アイドルマスターシンデレラガールズ4thライブ完走所感)
自分がここ数年、ずっと張り付いているゲームタイトル、アイドルマスターシリーズ。その多数のコンテンツの中で、今まさに、旬の素材が「アイドルマスターシンデレラガールズ」である。
「アイドルマスター」は、プレイヤーが「プロデューサー」という設定で、アイドル事務所のスタッフとして、アイドルを育成するという「アイドル育成シミュレーションゲーム」として、ゲームセンターで稼働したアーケードゲームである。
詳しくは省くが、その後、家庭用に移植、アニメ化までされた。多数のファンを抱えるゲームであり、発売元のバンダイナムコエンターテイメントの屋台骨の一つとなっている。そのアイドルマスターの外伝的な位置づけとして、ソーシャルゲームで展開しているのが「アイドルマスターシンデレラガールズ」である。
元々は、「アイドル育成カードゲーム」としてサービスが始まったコンテンツではあるが、こちらもアニメ化して話題となり、後にリズムゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ・スターライトステージ」が配信開始。まさかのSMAPの中居正弘氏をCMに起用し、シンデレラガールズが一躍、世間に認知されることとなった。
ちなみに、この影響で、自分の仕事先の女性が、旦那さんと揃って興味を持ち、今ではライブに行ってみたいという話をしていて、ハマり込んだ時の中毒性たるやである。
このコンテンツの魅力の一つが、ライブである。
ゲームでライブ?と疑問に持たれた方もいるかもしれないが、「アイドル」を主題としたコンテンツである以上、欠かせないのはもちろん楽曲である。
「アイドルマスターシリーズ」は本家の「アイドルマスター」を筆頭に任天堂のニンテンドーDSで発売された「ディアリースターズ」、ソーシャルゲームとして展開する「シンデレラガールズ」の他、「ミリオンライブ」、そして、女性のプレイヤーをメインターゲットにした男性アイドルを育成する「サイドエム」の3タイトルと、コンテンツの広がりはさることながら、キャラクターボイスを担当する声優が実際に歌唱する楽曲が魅力の一つであり、シリーズ総計楽曲数は500曲を超える。
そして、「シンデレラガールズ」に関しては、ゲームに登場しているキャラクターは200人近くおり、未だにボイスが入っていないキャラクターは100人以上。現在、50名を超えるキャラクターにそれぞれ担当する声優がついているが、現時点で、「シンデレラガールズ」のみのコンテンツ楽曲は100曲を超えていて、今後、新規にキャラクターへのボイスが追加されるとともに、楽曲数も膨れ上がっていくと予想される。
その楽曲を声優陣が、ゲーム、アニメの中のキャラクターたちと同じ衣装を着て、実際にライブで披露するのがこのコンテンツの目玉の一つとなっている。
昨年は本家の「アイドルマスター」が10周年を迎え、姉妹コンテンツである「シンデレラガールズ」と、「ミリオンライブ」、それぞれの選抜メンバーが一堂に会した合同ライブが行われた。埼玉西武ドームという大型の箱が超満員となり、全国の多数の映画館でライブビューイングも行われ、2日間のライブの観客動員数は10万人を超えるという超ビッグイベントとなった。
今回の話題となるのは「シンデレラガールズ」の4回目の単独ライブ。
「TriCastle Story」と銘打たれた今回のライブは、神戸の2日間を新作リズムゲーム「スターライトステージ」の楽曲を中心とした「Starlight Castle」、比較的新しい、ここ1~2年の間に「シンデレラガールズ」でキャラクターボイスを担当することになった声優陣が中心となった埼玉1日目を「Brand new Castle」、そして、アニメ化の際、業界大手の事務所の美城(346)プロダクションに所属するアイドルとして、メインで描かれた「シンデレラプロジェクト」のメンバーと関連キャラクターの声優陣を中心とした「346 Castle」とそれぞれコンセプトが設けられた。
「シンデレラガールズ」の楽曲の魅力は、そのジャンルの幅の広さにある。
正統派のアイドルソングから、ヴィジュアル系のロックサウンド、定番のJ-POPサウンドや、電波系ソングなど、個性あふれるキャラクターに合った様々な楽曲の多様性は、ライブの広がりにも相乗効果を見せる。
回を重ねる毎に会場も大きくなり、今回、9月3日、4日は神戸。そして、10月15日、16日は埼玉と2大都市ツアーとなった。
今回は、リズムゲーム「スターライトステージ」の楽曲も加わり、4日間で40名以上の出演者が様々な楽曲を披露した。自分は、全公演、映画館のライブビューイングでの参加。残念ながら、地元の埼玉の方も本会場のチケットは落選した。以下、それぞれの日で、特に会場の空気が変わったな、と思ったハイライトを挙げてみる。
演者、キャラクター名を入れると、それぞれのキャラクターの解説も入れる必要があり、長くなってしまうので、名前は割愛する。
神戸1日目(9/3)
リズムゲーム、「スターライトステージ」の楽曲を次々と披露。
まだCD化されていない、「LOVE∞Destiny」のフルバージョンは、特にJAZZテイストの利いた楽曲で、残念ながら、オリジナルメンバーが揃い踏みとは行かなかったものの、3人の演者のセクシーなダンス、切ない表情と歌声で会場の雰囲気を盛り上げる。
そして、80~90年代のツッパリ系ロックンロールテイストでノリの良さはトップクラスの「純情Midnight伝説」。全5人のメンバーのうち、4人の登場となったが、楽曲の途中でサプライズゲストとして、最後の1人が登場、会場のボルテージが一気に上がる。
神戸2日目(9/4)
毎回、会場のボルテージを一気に上げるメタル系楽曲、「毒茸伝説」。演者の力強い歌唱力も相まって、とにかくパワフルで熱いステージを披露してくれる。
クリスマスをテーマとしたポップなラブソング、「Snow Wings」は5人ユニットの楽曲なのだが、まさかのメンバー1人での歌唱。と思いきや、これが2日目のサプライズであり、全員は揃わなかったが、2人のオリジナルメンバーが途中から参加、3人での歌唱となった。この3人は、特にゲーム、アニメでも、アイドルグループで言うところのセンターポジションの3人。この3人でのユニットは「シンデレラガールズ」の顔となっており、こちらも会場が一気に盛り上がった。
そして、10月13日に発売されたPSVR対応コンテンツ「アイドルマスターシンデレラガールズ・ビューイングレボリューション」のテーマソングが、この時点ではゲームより先んじて、サプライズ歌唱され、大盛況のうちに終了。
埼玉1日目(10/15)
「Brand new Castle」と銘打たれたライブで、本来はキャラクターがソロで歌っている楽曲を、様々なメンバーがユニットで歌うという趣向で、どんなユニット編成になるのかという楽しみで、どの曲も盛り上がった。
特に、3rdライブでも盛り上がったEDMサウンドが光る「Hotel Moonside」は、前回同様、ライブオリジナルのイントロで、バックダンサーがこれでもかというほど激しくパワフルなダンスで会場を盛り上げ、その熱気の中、3人のユニットが登場。歌唱、ダンスパフォーマンスは圧巻の一言。
また、比較的初期からコンテンツに参加しているものの、今までの3回のライブに参加しておらず、待望されていたメンバーの一人がサプライズで登場し、会場は歓喜の絶叫に包まれた。
また、この日は間もなく5周年を迎える「アイドルマスターシンデレラガールズ」のアニバーサリーソングとして作られた「EVER MORE」が披露された。
埼玉2日目(10/16)
ゲーム、アニメとどちらにも深く関わっているメンバーで、ライブへの参加回数も多いメンバーが中心となっている「346 Castle」はやはり安定感があり、楽曲もアニメで使われた人気楽曲を多数披露。
特に、今までライブでは全員が揃わなかった「シンデレラプロジェクト」が勢揃いしたということで、特に楽曲が発表後の登場がなかった往年のアイドル「Wink」を彷彿とさせる「ラブライカ」が歌う「Memories」、それに続くソロユニット「ローゼンブルクエンゲル」の「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」、3人ユニット「トライアドプリムス」が歌う「Trancing Pulse」など、ほとんどの楽曲がオリジナルメンバー揃い踏みとなって、非常に見応えのある内容。
前日同様、初期から関わっていながらライブへの参加がなかったメンバーがサプライズで登場、特に歌唱力に定評があり、会場は感動の拍手に包まれた。
そのまま、もう一人のサプライズゲストが登場。サプライズの2人がユニットとして歌った「Nocturne」が披露され、会場を盛り上げた。
ライブ中盤、「346 Catsle」に続く、シークレットステージ「Future Catsle」に変わり、CD化されたばかりの新曲が次々に披露される。
最後は「シンデレラガールズ」のテーマ曲でもある「お願い!シンデレラ」で締めくくられ、大盛況のうちに終了。
軽くまとめるつもりでも、この長文である。
控えめに言っても最高のライブと言える内容だったのではないだろうか。本当に夢のような時間で、この歴史的ライブを観覧できてよかった。
さて、間もなく5周年を迎えるということで、次は今回以上に色々な演出とサプライズで盛り上がるライブを見せてくれるのではないだろうか。
次こそは現地で観たいものである。
積んでは崩す娯楽の山(ペルソナ5ぼちぼちプレイ中)
自分の悪い癖ではあるのだが、どうにも欲しいゲームがあると、まだクリアしていないゲームがあるにも関わらず買ってしまう。
我慢ができない、という自分の散財癖もあるのだが、メーカー側も初回出荷分のパッケージにはいろいろ特典をつけていたりするので、あとで買えばいいか、と思っているとやっぱり損をしてしまっているようで、ついつい手に入れてしまうわけで。
現状、少しずつ触っては別のゲームをやってみたりと、一応、平行して進めたいと思っているのだが、一度初めると、わりと時間を忘れて没頭してしまうことも多く、気づいたらしばらく手つかずになったまま、クリアしていないゲームが増えていくのである。
さて、そんな中、一応、メインで進めようと思ってぼちぼちプレイしてるタイトルが「ペルソナ5」。
恐らく、今年発売されるゲームの中でも、注目度はトップクラス、ファン待望のRPG、「ペルソナシリーズ」の5作目となる。
ざっくり説明すると、心の中に眠る力を実体化させて戦う「ペルソナ」という能力に目覚めた少年少女たちが、様々な事件に巻き込まれていく青春群像活劇RPGである。
本作を手掛ける老舗ゲームメーカー「アトラス」は、神や悪魔といった異形のものたちをコンピュータを使って召喚したり、コミュニケーションをとって仲間にする等、オカルティックな世界観とコンピューターというサイバー要素を取り入れたRPG、「女神転生」シリーズを世に送り出した。独特の世界観と、高い難易度でコアファンに熱狂的に支持されていた。
「ペルソナ」シリーズは、その世界観を引き継ぎながらも、学園モノとして高校生を主人公にしたこと。また、自らの能力として神や悪魔の力を借りて戦うというシンプルな設定で、初めて世界観に触れるプレイヤーにわかりやすいものなっていた。しかしながら、最初のタイトル、「女神異聞録ペルソナ」は相変わらずの難易度と、初代プレイステーションの不安定さも相まって、ただ難しいだけではなく、本体の不調によってたまに進行できなくなるという、ゲーム要素以外の問題もあったりして、非常に歯ごたえのあるハードルの高い作品となっていた。
続く、「ペルソナ2」は「ペルソナ2・罪」と「ペルソナ2・罰」という前後編で発売し、それぞれ違う主人公の視点で事件の謎を追っていくという群像劇としての色が強くなっていた印象。前作よりもさらに難易度の調整が行われ、格段に遊びやすくなっていた。ムービーシーンや、イベントボイスなども挿入され、よりキャラクターたちの個性が際立つようになってきた作品だった。
そして、「ペルソナ3」でそれまでの世界観とは一線を画す進化を遂げる。次世代機のプレイステーション2になったという点も大きかったが、イベントシーンのフルアニメーションや、多数の有名声優を起用したキャラクターボイス、そしてこの作品の代名詞となったサウンドである。とにかくスタイリッシュな仕上がりで、戦闘シーンでもボーカルが入ったクラブサウンドが流れるといった、それまでのRPGにはない演出によって、一躍注目の作品となった。
このスタイルを継承した「ペルソナ4」は、さらにポップなサウンドと、世界の命運をかけた戦いや、壮大なテーマではなく、自分たちの町で起きた事件を解決するために奮闘するという、学生らしいより身近で個性豊かなキャラクターたちが人気を集め、全編アニメ化や、後日談を描いた格闘ゲームといった別ジャンルのゲーム、また楽曲の人気から音ゲーの発売まで派生し、まさに不動の人気RPGとなった。
この人気もあり、前作ペルソナ3の劇場アニメ化や、格闘ゲームへのゲスト出演といったシリーズの底上げにも一役買っている。
そして、ファン待望の「ペルソナ5」
前作までの正義感溢れる前向きな学生たちとはちょっと路線が変わっている。
3、4とそれぞれ主人公たちが敵対するものは、超常的な存在で、人間VS謎の存在という作りになっていた。
今回は、様々な事情により問題児扱いになっている主人公が、表向きは善人と思われている非道な大人たちの心象世界に侵入し、強制的に改心させるという人間VS悪人という演出になっていて、この演出がピカレスクロマンという作風とマッチして、群像劇+ミステリー要素という新たな方向性になっている。
ジャズをメインとしたサウンドも非常に出来が良く、また独特のインターフェースがオシャレ感バッチリで、非常に完成度が高いゲームとなっている。
また、RPG初心者から、ペルソナシリーズ熟練者まで、それぞれが楽しめる難易度設定もできるようになっていて、今の時代のプレイスタイル合わせた作りになっているのありがたい。
そんな訳で、「ペルソナ5」であるが、ダンジョンのステルスアクションやギミックといった新しい要素も楽しくて、時間を忘れさせてくれるゲームとなっている。
しかしながら、ここ最近は仕事の方でもやることがあったり、仕上げなければならない原稿もあったりで、なかなかできていない。
そんな中、また別のゲームを買ってしまって、自分の棚にはまたプレイできないゲームが収まるのだった。
栄光の落日を招いた武器は今(「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」を観に行く)
「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」の4DX版を観に行ってみた。
今年の7月9日に劇場公開されたが、たまたまタイミングを逃し、観れていなかったところ、近場で4DXが公開されていたという次第。
ご存じ、スクウェアエニックスのRPGの金字塔「ファイナルファンタジーシリーズ」の最新作、「FINAL FANTASY XV」のプロローグストーリーをフル3DCGで映像化したもので、ゲーム本編の世界観を先んじて味わえる内容となっている。
ところで、我々の世代で、「ファイナルファンタジー」で「CG映画」というと、色々思うところがある。
今から遡る事15年前。「ファイナルファンタジー」を冠した世界初フル3Dの映画が製作されていた。「ファイナルファンタジーシリーズ」の生みの親でもある坂口博信氏が監督を務める映画ということで、どのような出来になるのかと注目されていたが、蓋を開けてみると、ゲームのファイナルファンタジーシリーズの世界観からは想像もつかない、SF映画だったのである。
一応、「ファイナルファンタジー7」の世界観から着想を得た「ガイア理論」という設定が登場するが、正直、関連性があると言うには難しい話。
先行で公開された北米では完全に大コケ、ギネス級の大不振となる。日本でも支持は得られず、スクウェアは会社が傾くレベルの負債を抱えることとなった。
後に、人気RPG「ドラゴンクエストシリーズ」を製作するエニックスと合併することになるのだが、この映画による赤字も要因の一つと言われている。
さて、今回の映画については果たしてどうであろうか。
いくつかの批評サイトを観てみたが、賛否はあるものの好意的な評価も多かったように思う。
実際、自分が観に行ってみての感想としては、ゲームの導入、販促ということを抜きにしても、SF作品として出来はいいと思った。
まず、CG。かつての「ファイナルファンタジー」から15年経っているというところで、技術の革新のスピードに下を巻く。キャラクターの肉感や、服装、影の映り方、背景の光沢など、かなりリアルな作りになっている。
シナリオについては、尺の問題なのか、いくつか違和感のある話の展開(賛否が分かれるのはこの辺にあると思われるが)はあるが、プロローグという主旨ではあるが、一つの作品として完結している作りになっていて、悪くない印象。
声優について、主演の綾野剛氏に対する批判がチラホラ見られたのだが、自分はそこまで酷いとは思っていない。本人もインタビューで答えていたが、周りのベテラン勢がしっかりと世界観を作っているため、演技に迷いを感じさせなかった。また、FFシリーズの過去作もプレイしており、世界観についての理解度もあるというところは大きい。
そういう意味では、ヒロインの忽那汐里氏の方が、かなり違和感を感じた。こちらはどうにも世界観が把握しきれずに、フラフラした印象を受けた。
しかし、自分の中では映画料金分以上、かなり満足できた。
何より、繰り返しになるが、賛否はあるものの好意的意見も多い。興行的に観ても15年前(まぁ、あれはかなり底辺なのだが)とは、比べ物にならないほどの成功と言えるのではないだろうか。
皮肉なことに同じSF作品でありながら、15年前と今、何故ここまで差がついたのかといえば、やはり世界観の設定に尽きるような気がしている。
15年前の「ファイナルファンタジー」の公開時、直近で発売されていたのは「ファイナルファンタジー10」。その前の3作品、7、8と、9はややファンタジー要素が多めだが、近未来的であったり、スチームパンク寄りの世界設定続いていたというところで、SF方面へと舵を切ったのかとも思ったが、本来のファイナルファンタジー的要素があまり見られず、暴投してしまった気がしている。
今回の映画は、直近で発売されるゲームとの繋がりをしっかりと作っているというのが大きい。一本の映画ではあるが、ゲームの方の製作チームを中心として作られていて、世界観を把握しているスタッフのため、齟齬がなくダイレクトに作品が作れるのは重要だ。
また、近年のファイナルファンタジーの特徴として、日本でもトップレベルのCG技術で描かれる近未来的で、スタイリッシュなデザインが増えてきた。そういったイメージが浸透し、SF的ストーリーやデザインが受け入れやすい下地ができているというところもある気がする。
もし、15年前に作られた「ファイナルファンタジー」が、本来の世界観である魔法や、クリスタルの存在を中心に描かれる作品であったら、果たしてどうなっていたのだろうか。