原点回帰の新たなる一歩(久しぶりの765プロイベントをライブビューイング)
先日の1月28、29日に東京体育館にて開催された「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!-」をライブビューイングにて鑑賞。
10年以上前にゲームセンターにて「アイドル育成ゲーム」として稼働し、家庭用ゲームへの移植から、ソーシャルゲームへの展開、アニメ化と続き、今や版権元であるバンダイナムコの屋台骨とも言えるコンテンツに成長している「アイドルマスターシリーズ」。
数年前にニンテンドーDSで発売された「アイドルマスター ディアリースターズ」、ソーシャルゲームから生まれた「アイドルマスター シンデレラガールズ」、「アイドルマスター ミリオンライブ」、そして女性プレイヤーをメインターゲットにした男性アイドル育成ゲーム「アイドルマスター SideM」と、それぞれに独立した世界観を持ったアイドルたちのコンテンツは広がりを続けている。
しかし、これらの派生したゲームの大本にあるのが、本家「アイドルマスター」である。時代と共に微妙に設定が変わりながらも、個性的な13人のアイドルが所属する「765プロダクション」の物語は、10年を超えてなお、ファンたち支えられ、ここまでコンテンツが続いてきた。
そのレジェンドとも言うべき13人を担当する声優が全員集合した。メンバーが勢揃いするのは、2012年の6月に行われた7thライブ以来、実に4年半ぶりとなる。
担当する声優のなかには、結婚や出産といったおめでたいニュースがありつつも、家庭へのウェイトを置くが故に、イベントへの参加が難しかったメンバーもいたが、それぞれがある程度落ち着いてきたところで、ようやく全員が揃う機会が巡ってきた。
10年間、アイドルマスターのコンテンツを支えてきた765プロ。単独でのイベントとしても、2年半ぶりと期間は空いている。近年は特に、妹分的コンテンツである「シンデレラガールズ」と「ミリオンライブ」のライブ活動が活発になっており、これだけの期間が空いたことで、765プロ声優陣の中には、もうイベントをやる機会はないんじゃないかと感慨に耽っていたメンバーもいたという。
近年、「アイドルマスター」関係の大規模なイベントと言えば、短いMCを挟みつつも多くの楽曲を声優陣が披露するライブ形式が一般的となっていたが、今回のイベントはまた違った様相を見せていた。
イベント前にネットで行われていたユーザーアンケートの結果を見ながらトークをするコーナー、「プロデューサーズボイス」。
声優陣が生アフレコを行い、時には凄まじいアドリブの応酬になり、会場を笑いの渦に引き込んだ「朗読劇765プロ大感謝祭」
そして、2016年に発売された最新作、「アイドルマスタープラチナスターズ」の新曲の披露。また、声優陣の歌とファンのコール&レスポンスをライブ音源で直接録音する専用曲のコーナーも盛り込んだライブパート。
「ライブ」とは表記せずに「ファンミーティング」と表記されていた理由。ファンと一緒に楽しむことを柱に据えた、バラエティに富んだイベントである。
それは、まだ「アイドルマスター」がここまで大きなコンテンツになる前、ゲームが稼働してから1年目、2年目の初期の頃。楽曲も多くはなく、知名度も決して高くはなかった時代。世界観を楽しんでもらおうと、スタッフ、キャストが試行錯誤をしながら、ファンに向けて行っていたイベントの再現。
2015年に10周年を迎え、一つの区切りとなった「アイドルマスター」。そして、また新たなる一歩として、昔のようにファンと一体になれる企画として今回のイベントは、原点に立ち返り、次のステップのためのスタートラインだったように感じる。
改めて思うのは、10年というキャリアが見せるイベントの楽しさ、そしてチームワークである。トークで見せるキレやネタの数々。チームだからこそできる、朗読劇のアドリブの応酬と、完成度。そして、衰えることのないライブパートのパフォーマンス。レジェンドたる所以のその総合力に圧倒されるのである。
そして、声優陣もまだまだこんなところでは終わらないと、気持ちを新たにそれぞれが次のイベントへの意欲を見せており、こちらも楽しみにしているところである。
欲を言えば、楽曲メインのライブイベントが観たいと思っていたが、出演者の一人が最後の挨拶で「このメンバーで、また歌のイベントやりたい!」と絶叫し、メンバー全員がそれに頷き、抱き合っている光景を見て、鳥肌が立った。
スケジュールの都合や、時間的な理由により、長尺のライブイベントはできなかったようだが、望んでいるのはファンだけではない、出演者の総意でもあったのだ。
この先も、まだまだ走り続け、ファンに感動を提供してくれるだろうと期待させてくれるイベントであった。