娯楽メディアの波に翻弄される(HDレコーダーを圧迫する日常)
10月も終わりに近づき、アニメ業界における9月の改変期からもう2ヶ月が経った。
既に1月からの新番組情報も続々と流れてきており、次はどれを観ようかなどと、チェックをしているのだが、10月現在の自分は観ようと思ってチェックしていたアニメの半分も観れていない。HDレコーダーには未消化のまま、延々と残っている作品がわんさか眠っている。
最近は、有料配信サイトに登録しているとそのうち全話視聴が可能になるものもあったりして、なんとかHDの空きスペースをやりくりしている現状である。
思えば、高校時代のこと。今なお根強い人気のある「新世紀エヴァンゲリオン」をはじめ、テレビ東京の夕方6時台には名作が揃い、今ではむしろ主戦場となっている深夜帯のアニメも台頭し始めた時代だった。当時VHSで、3倍録画で何本もアニメを録画して観ていたのが懐かしい。
ところで、当時、かなりの本数を観ていたはずなのに、時間的には全然余裕があった。
調べてみると、高校当時の1990年代、テレビ放映されていたアニメは大体年間で80~100本ほど。単純計算、1シーズンだと20~25本。1日に1本から2本で十分足りるところだ。
高校生だったので、6時台のアニメは帰宅すればそのまま視聴、主に録画していたのは深夜アニメ。それでも、日に1~2本観れば問題なくこなせていた。
ここ最近はというと、年間170~200本。つまり1シーズンで多い時には50本のアニメが放映されている。ちなみに、わざわざ言う必要もないが、「アンパンマン」や「ちびまる子ちゃん」、「サザエさん」といった家族向けアニメを除外した上での本数である。
5分アニメなどのショートアニメもあったりするので、ボリュームはさまざまだが、それでも1日7作品を観ないと網羅できない計算だ。
話が若干逸れるが、アニメ供給過多気味の昨今では、業界的にも様々な問題起こっているようだ。一部の作品ではスケジュールが間に合わず、1週休んだり、クオリティが低いままのものが放映され、視聴者から叩かれるアニメがあったりと、苦労が絶えない状況のようだ。
閑話休題。
また、自分自身、当時はゲームとアニメぐらいしか娯楽がなかったので、時間のゆとり+娯楽メディアの少なさがあったのは間違いない。
今の自分は、youtubeだったり、ニコニコ動画といったインターネットコンテンツを観る時間や、Huluやアマゾンビデオといった有料配信サイトの映画などの映像コンテンツを利用することもある。
また、高校生の頃は、年に2~3本、吟味に吟味を重ねたゲームソフトを、長く遊ぶことでゲーム自体の時間は多めに使っていても、トータル時間はアニメを見る時間とバランスが取れていた。
ところが、今はちょっと気になるゲームがあればホイホイと買ってしまう。
同年代と比べると、圧倒的に貧乏で底辺の経済環境にいる時分だが、独り身なので、生活費以外の金銭は趣味に回せるために、この辺のブレーキは若干緩いのである。
別の記事でも触れたが、おかげで手を付けたものの、ほとんど遊んでいないゲームがどんどん積みあがってしまい、崩すのに時間がかかって、アニメを観る時間を割けないでいるのだ。
結果として、アニメに割く時間が減ってきて、気付けば本当に観たいと思っていたもの以外はあまり観ないままHDの肥やしとなって行くのである。
とはいえ、やっぱり本数が多くて追いきれないというのは言い訳だろうか。
本数を消化することに比重が置かれているようで、純粋にアニメを楽しんでいた高校生のころと比べると、コミュニケーションの手段だったり、流行のチェックという側面だったりと、娯楽メディアとして自分が向き合っているかどうかちょっと怪しくなってくる。
そんな感じなので、観るアニメもかなり数を絞ってしまい、ちょっとでも自分の嗜好に合わなそうだとパスしてしまう作品が増えてきた。
後々になって、周りから面白いからと薦められても、まとまった時間が取れないために観ることができず、せっかくの良作を知らないまま機会を失っていている。
ただ、本数を消化することに注力していると、それはそれで一つの作品をちゃんと楽しめていない気がして、なんだか中途半端に感じてしまう自分もいて、モヤモヤするのである。
ブログやフェイスブックなどで、しっかりアニメの話題をしている人たちは、明らかに自分より忙しそうなのに、どうやって時間を作っているのだろうか。
自分が二人いたらなぁ、と思ったけど、それはそれで時間の使い方が下手な人間が二人になるだけで、状況は改善しないだろうと思う今日この頃である。