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ニッチユーザーの不定期日記

アニメ、マンガ、ゲーム等、オタクな話題を不定期更新

二次元とリアルの交差点(映画「アサシンクリード」鑑賞)

連続して映画の話。

 

マイケル・ファズベンダー主演の映画「アサシンクリード」である。

原作は海外大手ゲームメーカー、UBIソフトが手掛ける人気ゲームシリーズを下地としたオリジナル作品となっている。

 

超古代文明の遺産と言われている「エデンの果実」。古代人によって作られた超兵器で、これを使うことによって人心を意のままに操り、古代人は人々を支配していた。この「エデンの果実」によって、人々を支配することで、恒久的な平和と秩序を求めた「テンプル騎士団」と、人の自由意思と支配されない心を守ろうとする「アサシン教団」の間で起こった兵器の奪い合い。

そして現在、テンプル騎士団が経営する科学研究機関・アブスターゴ社では、人々のDNA情報から先祖の記憶を取り出し、データ上の先祖の体とシンクロさせることで、まるで現実のように追体験できる「アニムス」と呼ばれるシステムを開発。

アサシンの末裔と思われる子孫たちを秘密裏に拉致し、システムを使って先祖の記憶から「エデンの果実」の場所を割り出そうとする。

 

というのが、原作の設定である。

第一作目が発売されたのが2008年、もう10年近く前だということに驚きである。

それ以来、1年に1作というゲームの圧倒的ボリュームに反したハイペースで発売していく。

ゲームの特性上、「今回はこの時代のこのアサシンが主人公」という形で、物語の広がりは無限とも言える。

様々なシステムを取り入れ試行錯誤しながらシリーズを重ねてきたが、一昨年に「アサシンクリード シンジケート」が発売され、しばらく新作の発表がなく、充電期間に入っているようである。

 

ゲームとして楽しいのは、そのアクション性である。「パルクール」と言われる壁や地形を生かして走ったり、飛んだり、登ったり、縦横無尽に走り抜ける技術の事で、このゲームでは壁や家づたいなど、掴まれるところがあればどこでも登って、走ることができる。人々を綺麗に避けながら、スイスイと壁や建物を移動するアクションは非常に気持ちいい。

ただ、あまりに動きすぎて意図しない方向へ移動してしまったり、そのつもりはなくても高いところから飛び降りてしまったりと、暴発することもあるので、注意が必要だ。

 

もう一つは、それぞれの時代の歴史を忠実に再現している事。当時の人々の文化、仕事や風俗、服装といった部分が非常によく出来ている。ゲーム内で街を歩いていると、道の往来を行き来する人々や、乗り物、路地裏で井戸端会議をしている人たち、走り回っている子供など、当時の空気を感じられるのリアルさで、より没入感が増してくる。

 

さらに、当時の社会情勢や思想といった部分の解説をデータベースから確認することもできる。また、ゲーム内でプレイヤーが観た歴史的建造物なども解説されていて、考古学的な知識欲を満たすコンテンツもある。このテキスト量を読むだけでも膨大な量だ。

 

どうやら2017年中に新作が出るという情報も流れていて、非常に待ち遠しい。

 

さて、その間を縫うように公開されたのが、実写版「アサシンクリード」である。

主人公はアメリカ人のカラム・リンチ、ゲームからまた独立した主人公である。

彼の先祖であるアギラール・デ・ネルハは1492年に活動していたアサシン。アブスターゴは殺人犯として収監され、死刑執行間近だったカラムを拉致、アニムスを使ってエデンの果実の場所を探ろうとする…。

 

ちゃんとは覚えていないのだが、そもそもこの「アサシンクリード」の映画化自体は、かなり前から企画が出ていたと記憶している。

テンプル騎士団とアサシン教団の設定部分だけしっかりしていれば、比較的自由にストーリーも練れるし、予算さえ確保できれば良作を生み出せる可能性は高いと思っていた。

 

時代設定は2016年、最初のアサシンクリードより後の時代の話だ。

ゲーム中で使われている「アニムス」よりも若干大がかりで、神経接続をするにもうなじの部分に機械のようなものを装着、その時に痛みを伴うような演出もされており、危険な装置というニュアンスを前面に出している感じがした。

 

面白いと思ったのは、機械に繋がっている主人公が客観的に観れる事。ゲームでは、キャラクターは仮想世界に入ってしまっているので、プレイヤーは主人公の体がどうなっているのかはわからない。

主人公、リンチが仮想体験している動きに合わせ、体を固定しているアーム部分が柔軟に動き、ARのように空間に浮かんだデータの世界を駆け回っている。

先の述べたようにゲームとはかなり違った仕様の「アニムス」なのだが、観る分には映画で出てきたギミックの方が見てみたいと思ってしまう。

 

セットもかなりいい出来だ。街中を敵に追われながら縦横無尽に駆け回るシーン、すごいスピードで流れていく街中の風景は、まさに時代の仮想体験をしているかのようだ。

 

ストーリーも、ゲームの世界観を壊さない程度のオリジナルストーリーで、中々楽しめた。

 

ただ、やはりファンムービーである事はぬぐいきれない。ゲームに関するある程度の予備知識や、世界観、背景設定は知っておくに越した事はないだろう。

映画の中でもざっくりとした説明はされるのだが、ざっくりしし過ぎていることと、短時間での情報量が多いため、何も知らない人は、置いて行かれる可能性もあると感じた。

 

具体的な結末はネタバレなので書かないが、続編やゲーム本編の登場もできそうなキャラクターなので、今後もゲームと並行して、映画の続編にも注力して欲しいところである。