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ニッチユーザーの不定期日記

アニメ、マンガ、ゲーム等、オタクな話題を不定期更新

大事なことはマンガから教わった(「学べるマンガ100冊」発売イベントを観覧)

いやはや、PCを使っていて常々思うのは、とにかく字が下手な自分は、デジタルな文字表記にものすごい助けられている。

紙に書くと、まるでミミズが這っているような字で、悩みの一つではあるのだが。

 

とはいえ、この便利さとは裏腹に、いざ紙に文字を書こうと思った際、文字を打てば勝手に漢字変換までしてくれるという事が原因で、漢字を忘れているということが多くなってきた今日この頃である。

 

思えば小さい頃、漢字テストの結果は人並みではあったが、周りの人たちと比べて読み仮名問題での結果は結構高いところにいた。

恐らく、それは自分が同世代の中では結構マンガを読んでいることが多かったからだと思う。

マンガを読んでいると、漢字には大体読み仮名がしっかりついていて、難しい漢字や特殊な読み方なんかも書いてあったりして、自分の漢字知識はマンガのおかげだと言える。

 

そんなマンガから学習要素を見出そうと、2015年から日本財団で「これも学習マンガだ!」というプロジェクトが動いている。

新しい世界観、価値観の発見や将来の仕事についてなど、学びにつながるマンガを選出して国内外に広めていこうという興味深い趣旨だ。

 

先日、2015年のプロジェクトの集大成として、「学べるマンガ100冊」を発売し、トークイベントが行われていたので観覧をさせてもらった。

選出された100冊はカテゴリ分けをされ、それぞれどういった理由で選考されたのかが書かれていて、「キングダム」、「ベルサイユのばら」などの歴史に関するマンガや、「ブラックジャックによろしく」、「め組の大吾」など職業を主題にした納得のチョイスから、生命と世界のカテゴリで「寄生獣」について紹介したり、科学と学習のカテゴリで「もやしもん」を紹介したりと、意外と尖った内容の作品もあり、なかなか面白い。

 

プロジェクトメンバーである漫画家の里中満智子先生は、作者である立場の視点はもちろん、ヘビーなマンガ読者として、マンガが持っている多様性から学べる事。そして、キャラクターたちのやり取りから学ぶ対人関係、コミュニケーションなど、とにかく熱いトークが繰り広げられ、レジェンド級の漫画家として貫禄の意見を述べるとともに、チャーミングな人柄も随所に出ていて非常に楽しいトークショーであった。

 

同じくゲストとして呼ばれていた発起人の一人である山内康裕さんは自分と同じ年だが、マンガに関するイベント、ワークショップ、デザイン、執筆、選書など様々な場所で活躍しているスーパーバイザーである。

以前、別のイベントで名刺交換をさせてもらっており、今回もトークショーの随所で

里中先生のフォローなどに回って、参加者にわかりやすい解説をしてくれていた。

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とにかく苦労したのは、100冊に絞るという作業だったそうだ。選書をしているメンバーは各分野の識者であるとともに、マンガについての知識が豊富で、その中で各自がこれだと思うものを挙げてもらうと、キリがないくらいの量になるし、またどれも納得できるもので、いくつかの条件を設け、とにかく100冊に絞ったとの事。そういうことなので、当然、読者は「あの作品がない!」と思うだろうが、そういう議論はもう、さんざんやりつくしてきたそうだ。

 

プロジェクトが「これも学習マンガだ!」という名前なのは、つまりはそれぞれが思う学習マンガがあるけど、「これも」読んでみて欲しいという意味である。

 

選書して紹介するだけでなく、公共図書館学校図書館にスペースを作り、置いてもらう活動を進めたり、教育の中に取り込めるよう様々なアプローチをするなど、本格的な活動も行っている。

 

山内さんとお話しさせてもらった際、自分の親たちの世代はマンガを読む行為と、勉強することは反対の行為であり、そういう意味ではマンガばかり読んでいることを良しとしないところだった。だが、マンガで育ってきた自分たちが親の世代になると、マンガを読む子供に対するハードルは下がっていて、親が買ったマンガを子供が読んだりする時代になったのでは、という話をしたのだが、どうやらそうでもないらしい。

 

今の子供たちにはソーシャルゲームやネットTV、Youtubeなど、新たなエンターテイメントがあり、マンガ以外のコンテンツに人口が流れていること。また無料で読めるマンガサイトの登場で、その中で暇つぶし程度に読めればいいと思っている子供も増えてきており、子供社会でのマンガの存在感は自分たちが子供のころと比べると、決して高くない。

 そのため、学校図書館への設置をすることで、マンガの良さを知ってもらいたいという思いもあるそうだ。

 

2016年も引き続き活動を続け、2016年版の出版も検討されているそうで、次はどんな本が選ばれるのか、自分もワクワクしている。

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 余談だが、自分が小さい頃に繰り返し読んで、おそらく漢字の勉強になっていたのは「こち亀」こと「こちら葛飾区亀有公園前派出所」である。

秋本先生は死ぬまでやるんだろうなと思ってたのだが、まさか連載終了になるとは、本格的にジャンプも世代交代なんだなと思ったり。